3

2/34
10493人が本棚に入れています
本棚に追加
/318ページ
      タカヤに溺れている自分に不安を覚えていた。 このままでは、本当にタカヤから離れられなくなってしまう。 カフェでのことがトラウマになって、バイトすらしていなかったけれど。 いい加減仕事を探して、自立できる準備を始めなくてはと思う。 今度は、事務職がいい。そうすれば、あんな思いはしないで済むだろう。 どこか派遣会社に登録してみようと携帯でサイトをチェックして、目に留まった一社に問い合わせメールを送信した。 携帯をテーブルに戻して、溜め息を吐いた。 タカヤから離れたくない。 だけど、こんな生活をそう長く続けてはいられない。 タカヤに飽きられれば、そこで終わり。 そのときに、また途方に暮れてしまっては、タカヤから受けた厚意すら、ムダにしてしまうような気がした。
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!