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「今日は、ありがとう」
「役に立てた?」
「ああ」
「よかった」
わたしがタカヤに出来ることは、そう多くはないから。
そんな想いで、タカヤの指を握り返す。
すると、タカヤが可笑しそうにクスリと笑った。
あたしだけに見せる、その無防備な横顔が好きだった。
でもそれは、あたしの思い上がりでしかなかった。
タカヤは姉の大切な人だから……。
「タカヤと話をしていた髪の長い綺麗な女の人、あの人は、タカヤの恋人なんでしょう?」
「……どうして、そう思う?」
一瞬、タカヤが真顔になった気がした。
触れてはいけないことなんだ。
それは事実だから?
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