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      「タカヤ、止めて。くすぐったい」 身を捩って抵抗してもムダだった。 ヘアピンを全部取る頃には、あたしはすっかり下着姿になっていた。 後ろから抱きしめたまま、タカヤはあたしの肩に軽く歯形をつける。 痛みに身体を震わすと、タカヤは満足そうに笑った。 「抱きたい」 耳元で囁くタカヤの声がゾクリと響く。 顔を上げれば、鏡の中のタカヤと目が合った。 タカヤは、あたしの瞳を見詰めたままで、首筋にキスをする。 「ナツ、今日は凄く綺麗だ」 「……お願い。ベッドで待ってて」 いつもなら抵抗も出来ずに流されてしまうけれど。 どうしても、鏡の中の作られたあたしを洗い流してしまいたかった。
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