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目を覚ますと、あたしはベッドに一人きりだった。
シャワーを浴びて身支度を整えると、来たときと同じように、スーツケース一つを持ってマンションを出る。
リビングにメモを一枚残してきた。
今ままでお世話になったお礼と、お金はいつか必ず返すこと。それから、西森亜矢は私の姉だと書き記して。
新しいマンションに引っ越して一週間が過ぎた。
……逢いたい。
唇にタカヤのキスを思い出しては、胸がズキズキと痛みだす。
タカヤの声が聞きたい。
携帯を気にしていても、もうかかってこないとわかっている。
もっと、一緒に居たかった。
離れることが、こんなに苦しいなんて思わなかった。
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