異世界へようこそ

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カインは総合受付を素通りし、いくつか並んだ窓口の一つへと近寄って行った。 その窓口の上を見ると国民登録や滞在許可など書いてあったので、どうやらここで私の登録をしてくれるようだ。 「アイザック! 登録頼む!」 カインと一緒に窓口につくが、そこは締め切りになっていた。 カインは締め切りの札をヒョイと退けると、大きな声で奥にいる大柄な男の人を呼んだ。 カインに呼ばれた大柄な男の人は、辺りを見回し呼んでいるのがカインだとわかると少し不機嫌そうな顔をしてこちらにやってきた。 「何度も言っているだろ! 受付は時間を守れ! 今日は締め切りだと札があっただろうが!! 」 「悪い悪い。 登録は午前中までなのは知ってるんだけど、流石に女の子を国の外に放りっぱなしってわけにもいかないだろ?」 二人の会話から、グランドホルン王国の登録は午前中までだったとわかった。 今は時間にすれば恐らく午後3時ほどだろう。 この国で登録を受けるには午前中に手続きをしなくてはいけないようだ。 住む場所の確保や働く場所などを考えると午前中に登録して、午後から住む場所への案内をする。というのが一番いいらしい。 だけど、私がここに来たのはすでに午後だったはずなのでどっちにしろ間にあってはいないのだが。 カインのおかげで無事登録が済みました。 アイザックと呼ばれた人は文句を言いながらも、(副団長の頼みなら仕方ないか)と少し苦笑気味に手続きをしてくれました。 「これで、登録は完了だ。 とりあえずこのカードを持っておけば医療はこれから一年間は無料になる。 まぁ、仕事をすれば金が手に入るんで、そっから国にいくらか納めて貰えば一年を過ぎても少ない金額で医療は受けられる。」 どうやらこの国は福祉が充実しているようだった。 一年間医療がタダなんて日本では考えられない事だし。 普段から風邪を引きやすい私にとって一番ありがたいかもしれない。 その他にも、とりあえず仕事が決まるまでは国から補助金が出るようだった。 少ない金額だが・・と前おいて言ったアイザックだったが、カインに聞いてみると貰える金額は一ヶ月楽に暮らせるくらいの金額らしい。 それが半年続くそうだ。 その半年の間に仕事を決めなくてはならないようだ。
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