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「あとは、住む所か・・すまないが、今日で貸し出し出来る物件は全て埋まってしまっていてなぁ・・・どうしたもんか。」
住む場所も無料提供らしい。 今日の午前中一つだけ残っていた部屋があったようだったが、それも埋まってしまったようだった。
住む場所が無いというのは困った問題だ。
仕方ないのでとりあえず今日は宿に泊まろうと思い、泊まる場所があるかどうか聞くことにする。
お金の問題もあったのだが、手持ちの何かを売れば一泊くらいどうにかなるだろうと思ったのだ。
「とりあえず、今日はどこか宿をとります。 近くにありますか?」
そう聞く私に、ここを出てすぐに"止まり木"という宿があると教えてもらった。 "止まり木"は比較的安くて食事も美味しいらしい。
そこに泊まるよう手続きをとってくれるというアイザックさんにお願いしていると、カインに止められた。
「ずっとそこに泊まるわけにも行くまい? 住む場所が空いているなら言わないでおこうと思っていたんだが・・」
そう言うとこちらを向いてなんだか言いづらそうにしながら
「私の所にこないか?」
と言った。
その言葉に目を瞠り、瞬きもせずカインを凝視していると、アイザックが「それがいいな!」と私に勧めてきた。
「カインの所はかなり広いし、居心地もいいぞ! まぁ若い女の子が一人で宿に泊まるよりはよっぽど安心だ。」
カインは(そうだろう、そうだろう)と頷き、アイザックもそれが一番いいと何だか乗り気だ。
私としてはここまでお世話になったのにこれ以上迷惑かけられないと断ったが、「そんな事は気にしなくていい。」と話はあっと言う間に決まってしまった。
いきなりカイン宅へ逗留決定です。。。
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