第1話

3/5
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
何故私がココにいるのか。 それは、ある日の出来事だった。 その日も仕事をして、そろそろ帰ろうかと思っていた時だった。 突然、課長から呼び出されたのだ。 何故課長が? そう思いながらも呼ばれるままについていくと、いきなりこう切り出した。 《君ねえ、○○物産の社長の話を断ったんだって?》 その課長の言葉に、つい先日の事が思い出された。 その日、いつもお客様にお茶を持っていくこの会社の秘書が休みだった。 そしてたまたま給湯室にいた私を捕まえた部長の秘書(男)から応接室にお茶を持っていくよう頼まれたのだ。 勿論断る事もなくお茶を運んだ私。 そこには部長と歓談している○○物産の社長がいた。 私が何故その社長の顔を知っていたかというと、その社長の息子が原因だった。 その社長の息子は私の親友と付き合っていたのだが、その当時から女癖が悪く、親友も散々泣かされていた。 私にちょっかいをかけて来た事もしばしば。 そんな男、別れろと何度親友に言ったことか。 でも、優しい人だから。と、親友は付き合いをやめなかった。 でもある日、親友に子どもが出来たのだ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!