第9章

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会社で、まどかが編集長と話してる間に、彼女のパソコンからデータをもらった。 俺はその小さなUSBメモリーを見つめた。 こんな小さなモノに、俺たちの時間が入っている。 すごく不思議な気持ちだった。 今までも同じことを繰り返してきたのに、こんな思いをしたことはない。 今、俺は本気で仕事をしてるんだろう。 「コジロー」 「はい」 まどかの声に振り向いた。 「じゃあ、私は帰るね」 「送って行きますよ」 俺は立ち上がろうとした。 「いいよ。ハイヤー呼んでもらったから」 まどかの答えに躊躇はなかった。 「わかりました。じゃあ、下までお送りします」 「うん」 彼女は笑顔で言った。
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