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会社で、まどかが編集長と話してる間に、彼女のパソコンからデータをもらった。
俺はその小さなUSBメモリーを見つめた。
こんな小さなモノに、俺たちの時間が入っている。
すごく不思議な気持ちだった。
今までも同じことを繰り返してきたのに、こんな思いをしたことはない。
今、俺は本気で仕事をしてるんだろう。
「コジロー」
「はい」
まどかの声に振り向いた。
「じゃあ、私は帰るね」
「送って行きますよ」
俺は立ち上がろうとした。
「いいよ。ハイヤー呼んでもらったから」
まどかの答えに躊躇はなかった。
「わかりました。じゃあ、下までお送りします」
「うん」
彼女は笑顔で言った。
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