第9章

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まどかがお手洗いに立った時、隣りに座っていた園子さんが俺を見た。 「少しやつれましたね」 「あははは、まあ、正直徹夜続きだったので」 俺はカラカラと笑った。 「あまり無理をしないでくださいね」 園子さんは、本当に心配してる表情だった。 「あ、ありがとうございます」 俺はちょっとその表情に戸惑った。 少し間があいた後、 「久しぶりですね」 と、彼女は呟くように言った。 「そうですね」 俺は少しぎこちなかった。 隠し事があるというのは慣れていなかった。 「店頭に並ぶまでは、我慢します」 「え?何をです?」 彼女は少し微笑むような目で俺を見つめたが、答えなかった。 まどかがお手洗いから出てくる気配があったので、それで終わった。 その後もしばらく3人で軽くワイワイとして、お開きとなった。 園子さんとまどかはそのまま残り、俺は一人でマンションを後にしたのだった。
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