第9章

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翌日の待ち合わせ場所はハチ公前だった。 俺は30分前だからと気を抜いていた。 ハチ公の銅像の方へ歩いていくと、 「コジロー!」 既に待っていたまどかに先に見つけられた。 「早いですね……」 「約束の30分前は当たり前でしょ?」 「いやいや、普通5分前ですから」 俺は手をぱたぱたと左右に振った。 「それにしても、すごい人混みですね……って、いやいや、何で日曜の昼間の待ち合わせがハチ公前なんですか?無謀ですよね?よく見つけられましたよね?」 「だって、やりたかったんだもん」 そう言って、彼女は俺の腕に抱きつくと、サングラスを少し下げて口を尖らせると俺を見上げた。 「まあ、いいですけど……」 「じゃあ、行こ♪」 そう言った彼女に俺は引っ張られて行った。 駅前のスクランブル交差点もすごい人の波だった。 こんな中なら遥まどかだとは誰も気が付かないだろう。 俺は抱きしめられた腕を気にしながらも、そう思った。
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