第9章

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交差点を渡ってデパートの間を抜けて、右手に坂を上って行くと映画館がある。 入り口に上映中の映画のポスターと、その下に上映時間が張ってあった。 「ほんとにこれでいいんですか?」 「うん♪」 まどかが選んだのは、またジャパニーズホラーの部類だった。 しかも3Dだとか。 なんだ、それ…… チケットはネット予約していたので、入り口のところに設置された端末で発券して中に入った。 またまどかに肩でど突かれながらコーラとポップコーンを買って1番シアターに入ると、ほぼ満席だった。 「人気なんですねぇ」 「へえ……」 まどかが少しきょとんとしていた。 「え?よく知らないで選んだんですか?」 まどかは無表情で俺を見ると、なんか構え始めたので、 「待った待った!ここでど突かれたらこれ溢しますって!」 俺はコーラとポップコーンの載ったトレーを前にした。 「ちっ」 まどかは舌打ちしてしようとしたコトをやめた。 (本気でぶつかってくるつもりだったのかよ……) 口を尖らせ続けているまどかを軽く押しながら席に座らせた。
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