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喉の渇きで目が覚め、隣で眠る彼女を起こさないように、そっと上半身を起こす。 ……今、何時だ? 枕元のデジタル時計に目をやると、時刻は既に新年を迎えている。 年を越したことにも気付かず、彼女を抱いていたなんて、どこまでがっついてるんだか。 『……やっぱり、よ、呼び名って大事だと、思うんですけど。』 僕の意思を尊重して『店長』と呼び続けた彼女。 いつもとは違う吐息混じりのそれは官能的、且つ背徳的で。 つい、手加減も忘れて攻め立ててしまった。 気を失うかのように果てた彼女を見て、死ぬ程後悔しても時既に遅し。 床に落としたバスタオルを拾い上げて腰に巻くと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。 …………嫌われてなきゃ、いいんだけど。 .
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