420人が本棚に入れています
本棚に追加
わざとらしく胸を張った店長を笑えば。
陽だまりのように暖かな笑みを返してくれる姿に、幸せを噛み締める。
彼がお祖父さんから引き継いだこのお店と、彼の掴んだ大きな夢を2人で大切に育んでいけたらいいな……。
「……雫さん?」
「はい?――――あっ!」
店長の手が当たって、床に散らばったコーヒースプーンが派手な音を立てる。
慌ててしゃがみ込んで、落としたスプーンを拾い集める私に反し……。
気に留める素振りもない店長は何故かスプーンではなく私の手を掴んだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!