エピローグ

5/6
前へ
/214ページ
次へ
「店長?」 膝立ちしたまま首を傾げると、軽く啄まれた唇に目を丸くする。 「な、何やってるんですかっ!仕事中ですよ!」 「すみません、我慢できませんでした。」 「……ひょっとして、わざと落としたんで――――。」 「そのちょっと怒った顔も素敵です。」 「……。」 徐々にエスカレートしつつある店長の甘ったるさに戸惑いながらも、嫌いじゃなかったり。 カウンターの内側で唇を尖らせてみても、赤くなった頬が本気で怒っていないことを容易く知らせてしまう。 「雫さん、今は誰も居ませんから。」 そう囁く甘い誘惑に目を閉じれば、キィと軋むドアの音。 「「いらっしゃいませ!」」 慌てて立ち上がった私達に、全てお見通しだと言わんばかりの風間さんの笑みが刺さる。 「…………お前ら、ちゃんと働け。」 2014.1.5 【風騒カウンター】完 .
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

420人が本棚に入れています
本棚に追加