第一章 男なんて大嫌い

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「惚れたか。」 自分が思ってもいなかった言葉を つぶやいてしまい焦る。 え?相手は高校生だぞ~??? 「どうした鳴海?」 同じ部署の 金堂 敦(こんどう あつし)がはなしかけてきた。 「あ、いや。」 あわててファイルに申込書を戻す。 「今日合コンあるんだけど、鳴海も参加頼むよ。」 「無理、今日合気道あるし。」 「終わってからでいいからさ、もう来るって言っちゃったし、 お前いないと女子レベル下がるんだよ。」 「じゃ、来るってことでやればいいじゃん。行けなくなったとか言ってよ。  はっきりいって、俺いない方がおまえらにとっていいんじゃね?」 「そうか?じゃあ。女子に聞かれたら参加するって言っといてくれよ?  いやあそうか?  あ、ドタキャンでも大丈夫なように手配するから、  7時ごろ携帯に電話してな?」 「判った。」 判ってるんだ、こんなことはしょっちゅうだ。 誘われるのはこうやって俺の予定の入っている時。 そして無理して参加しても気まずい思いをすることも。 俺は本当はお呼びじゃないのだ。 ただ、女子のメンバーを集めるためだけに必要なだけ。
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