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普段は感情をほとんど顔に出さないレイなのだが、赤希の言葉を聞いて珍しく目を丸くした。
「それ、大事な物だろ?使わない方がいいぜ」
「……、」
「試しに石でも投げてみろよ。俺の言ってる意味が分かる」
その言葉の意味がイマイチよく分からなかったレイは、そこらにある手頃な石を拾うと、それを赤希へと投げつける。
その動作に対して、赤希がとった行動は簡単だった。
ただ、右手を目の前に出しただけ。
それだけだった。投げられた石が右手に当たろうとした瞬間、バゴンという重たい音と同時に石が弾け散った。
「分かったか?これが俺の力なんだよ」
「それは科学サイドか、それとも魔術サイドか?」
「『創造破壊(クライシス)』。右手に破壊の力を、左手に創造の力を宿した科学でも魔術でも証明出来ない不思議な力さ」
「科学でも、魔術でもない力だと……?」
「実際は、演算するし、魔力も生成するんだがな。それを科学か魔術かで判断するのは難しい。だからあえて俺はこの力を科学でも魔術でもない力と仮定した」
ここで、レイは何かがつっかかった。そして、学園都市へ行く時、同僚の魔術師から聞いた話を思い出した。
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