episode5 『聖槍と妖刀』

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「……『時間割り(カリキュラム)』を受けた学生が魔術を使うと、身体に大きな負担がかかって、命に関わると聞いたのだが」 ドゥーナという魔術師から聞いた話ではそうだった。だが現に、目の前にいる男は命の危険にさらされる所か、ピンピンしている。 「あぁー。そんな話もあったな。でも、俺のこの力は不思議なもんでさぁ。『創造破壊』っていう力は『時間割りを受けた能力者が魔術を使うと身体に大きな負担がかかって命に危険を及ぼす』という概念すら『破壊』しちまってるらしい。本当笑えるよな」 さらっと、とんでもない事を言う赤希亮夜。数々の真実はレイに衝撃を与えていった。 しかし、だからなんだ。 そんな事が分かっても、レイの取る行動は変わらない。目的を果たす事を最優先とするレイは、赤希に向けたブリューナクを引く事はなかった。 「それでも戦おうとする君の度胸を評して、情報をやるよ」 赤希はニヤリと笑いながら携帯端末を取り出し、画面を操作するとそれをレイへと見せつける。 「ここに『覚醒能力』はいる。後は、好きにしな」
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