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学園都市の、とある研究所。
モニターの明かりだけが光となるその場所に、『木原』という名の科学者はいた。
「学園都市の『闇』が侵入者の排除に失敗したらしい」
木原遊楽と呼ばれる男は、部屋の片隅にひっそりと佇む黒いコートに身を包んだ少年にそう言った。
「……だから俺がそいつを始末しろと?」
「ご名答。その通り。一番君が適していると思ったらからね」
木原遊楽はポケットから何やら一枚の紙切れを取り出し、それをその場でヒラヒラさせる。その合図を受け取った黒コートの男は遊楽からそれを掴み、何も見ずにポケットにしまった。
「『闇』がダメなら『裏』。あなたはいつもそう言う。俺達暗部を駆り出してまで自分の物にしたい『覚醒能力』とは、あなたにとってどれだけ必要なモノなんだ?」
その質問に対し、木原遊楽はそっけなく返した。
「世界の理を覆す、大切な大切なモノだよ」
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