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場所は変わり、病室。
「誰だ、てめぇ」
「……、」
殺伐とした空気が、この真っ白な空間に漂っていた。事の始まりはというと、灰色の髪をポニーテールにした白人がなんの前触れもなく、いきなり病室に入ってきた所だった。
「学園都市では見ない顔だね……ん?」
解離は不意に首を傾げた。わざとやったのか、はたまた自然と首を傾げたのかは定かではないが、解離は何かを思い出したのか、手を軽くポンと叩く。
「もしかして君、学園都市に無断で入ってきたっていう、侵入者かな?」
「……、」
少年、レイ=ザックス=トリュシュティーネは何も答えずに、ベッドに背中を預けている舞斗の前に行くと、
「お前が『覚醒能力』を使う能力者か」
「あ?」
「もっと凶悪な人間を想像していんだがな。予想をかなり下回った」
「……てめぇ、一体何者だ?」
「レイ=ザックス=トリュシュティーネ。お前達の知らない、科学サイドと相反するサイドの人間だ」
感情の一切こもらない棒読みの状態で、レイは淡々と告げた。
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