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「何を言ってるんだ、てめぇは」
「だから、お前らに言った所で意味などなかったんだよ」
はぁ、とレイはため息をつく。そして次の瞬間、どこからともなく聖槍ブリューナクを取り出し、その矛先を舞斗の首へと向けた。
「何がしたい」
「こんなにも簡単に命を奪えるようなヤツの護衛を俺達がしなくければいけない理由が分からんな。ボスは一体何を考えているのやら」
ブツブツと言いながら、ブリューナクの切先を首の柔らかい肌へツンツンと押し当てる。
「良い加減にしないと、切り裂くぞ」
かくいう舞斗の右手にも、いつの間にか『光束大剣』が出現し、その大剣は真っ直ぐにレイの腹部へと押し当てられていた。
「それが『覚醒能力』か」
「だとしたら、何だ?」
レイは突きつけたブリューナクを肩に担ぎ直し、室内の窓に寄りかかる。
「信じなくてもいい。だが、これは実際の話だ」
舞斗と解離はレイに不信感を抱きながら、彼の話に耳を傾けた。
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