243人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、どうなってんだよ」
「頼む」
「だから、何故に?」
「頼む」
「だからまず、理由を述べろ」
「頼む」
「何でこうなっちゃったかなぁ……」
頭の中でグルグル考えが回るうちにたどり着いた答えがこれだった。
ここは、第七学区のとあるアパートの一室だった。だが、アパートの一室と言っても中はとてつもなく広い。
二階建ての構造となっており、そこらの小さな一軒家となんら変わりのない造りになっている。
「だから、なんで今日会ったばっかのお前に、三人分の寝床を貸さなきゃいけないの!?」
「赤希亮夜。この通りだ。頼む」
レイは赤い髪の少年に対して、ジャパニーズ土下座を使って必死に頼み込む。全ては、大切な少女に安心安全な寝床を授ける為に。
「ったく、分かった分かった。毎月金払うなら住ませてやってもいいよ」
「本当か?」
「あぁ本当だ。だからその頭を早く上げろ」
「恩に切る」
「っく、何で何でこうなっちゃったかなぁ……ボケが」
赤希は深いため息をつきながら、家の中へと戻って行った。
最初のコメントを投稿しよう!