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キーンコーンカーンコーン
放課後を告げるチャイムが鳴る
今日は部活のない日
早く帰れることにみんな自然とテンションが上がる
一斉に教室の前と後ろの扉から出て行くクラスメイトをみながらゆっくりと私も立ち上がった
「…帰るか」
教室で一人呟いてみる
え?菜々波は一緒じゃないのかって?
彼女は、あれだ
世で言う“リア充”
毎週水曜日、菜々波は一つ年上の彼氏さんと帰って居るから私は一人で帰っている
菜々波には失礼だけどあの二人、案外長く続いていると思う
でも中二にして付き合うとは早いものだ
勿論自分はそういう話はよく分からないから彼氏とかもいないけれど
下駄箱で靴を履き替え昇降口をでてそのまま家へと向かった
校門を左にまがり路地裏を歩いていく
さらに歩道へぬけ、赤い信号がついている横断歩道の前で青に変わるのを待つ
携帯に目を向けるとメールが一件
それを読んでいるといつの間にかいた隣の人が前に歩き出したのが見えた
青になったのか
ふたたび携帯に目を向け自分も歩道を渡り出す
すると脳に響くほどのクラクションの音が鳴り響く
顔を上げ横を見ると時が止まったようにトラックがゆっくりと近づき
次の瞬間
ドンッ
鈍い音と体に走った痛みと共に私は意識が途切れた
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