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「これは」
「うん、君の『HEART』だよ」
パソコンの表面の蓋を取った状態のように、小さな部品までもがはっきりと見える。
この中の一つ一つに、莫大な量の情報やデータが組み込まれているのだ。
「ずっと連絡ができなくてすまなかったね」
「いえ」
平気でした、とは言えなかったが、ずっと泣いていたわけでもない。
現実的には、現時点で良い方向にしか向かっていない。
俺は大切な友人と、楽しい学校生活を手に入れたのだ。
――でも……駄目、だったか。
バラバラにされたままの『HEART』を見た瞬間、既に結果には察しがついていた。
「長い間修理をして頂いて、本当にありがとうございました。……でも、元には戻らなかったんですね」
仕方のないことだ。
寝る間を惜しんで付き合ってくれた彼には、文句など言えない。
寧ろ、感謝している。
しかし、深々と頭を下げた俺に降りかかった言葉は、予想外の現状だった。
「いやいや、まだ修理の途中だよ。何千分の一部分だけは、元通りに修復したんだ」
――えっ。
「完全に元に戻すのは無理だと断定できる。だけど、この調子で取り組めば、いつかは中へ入っても問題のない状態になるかもしれない」
保証はできないし、何年先の話になるかも分からないが。
顔を上げた俺に、神保原の父親はやつれ気味の顔で口角を上げた。
「待てる?」
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