476人が本棚に入れています
本棚に追加
/253ページ
-神保原ヨシノリ
僕と彼女がお付き合いをし、そして結婚に至るまでは本当に長い道のりだった。
高校一年生で初めて同じクラスになった僕達。
今でも運命の出会いだと信じている。
しかし君は、化学や数学が得意で、友達が少ない僕のことを、入学当初変な目で見ていたね。
猿川(さるかわ)トモミ。
君はとにかくパワフルな子で、人気者の島津佑馬や、はちゃめちゃに明るい水内コウタロウと仲が良かった。
でも、親友である佐藤可純の性格は、どちらかと言えば僕よりで、彼女達は意外な組み合わせだと感じたよ。
高校一年生になってすぐ、あっけなくクラスで浮いてしまった僕は、一部のグループに嫌がらせを受ける寸前の状況だったんだ。
目立ちたいのに目立てない、性格の悪い、たちの悪い集団だ。
そこから救い出してくれたのが、島津や水内――そして、猿川トモミだった。
暴力で方を付けるのではなく、強気で正論を述べる彼らに勝つ者はいない。
彼らは戦隊ヒーローのように、格好良かった。
「神保原君、あんた、ちゃんと友達作りなよ」
ソフトボール部に所属する猿川トモミの肌は健康的な小麦色で、陽に当たると艶やかな美しさを放った。
唇から覗く、黒い肌には対照的な白い歯。
目つきはきつめで、キツネのようなのに、どこか人懐っこくて。
時には周りを寄せ付けない言動の中にさえ、いつも人に対するあたたかさを感じる。
彼女を親友に選んだ佐藤可純は、本当にセンスの良い人だと感心したよ。
僕は助けてもらったあの日から、猿川トモミから目が離せなかった。
島津佑馬や、水内コウタロウが大好きだった。
僕は彼らのおかげで、自分と似たような生徒と仲良くなり、楽しい学校生活を送れたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!