俺は世界に切り取られた女の子に恋をした

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溝田君、お元気ですか。 私達は今、受験生としてそれぞれの進路に向かって頑張っています。 あなたのいなくなってしまった後も、変わらず世界は平和で、穏やかです。 ありがとう、守ってくれているんだよね。 知ってるよ、分かってる。 ありがとう。 溝田君のこと、ずっと忘れない。 私達はこの世界で、自分の足で一歩一歩未来に向かって生きている。 「すっげー、虹じゃん」 「何か良いことでも起こりそうな予感」 「……綺麗だね」 三人で見上げた空には、見たこともないくらい大きな虹がかかり、夏空は青々煌めく。 自然と笑顔になっていた私の様子を見て、二人も笑う。 カラリと晴れ渡る空は、それはそれは本当に、例えようもないくらい美しかった。 <終>
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