世界の何処かで、何かがハジケタ

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* 「可純ぃ、あたしあんたのこと大好きだ!」 誕生日本番の昼休み、ケーキを前にしたトモミは人目を気にせず抱き付いてきた。 「ちょっ、ト、トモミ」 「こんなに愛のあるプレゼントは初めてだと思う」 「喜び過ぎ」 周りに注目を浴びるくらい、トモミは教室の真ん中でギャーギャー騒ぐ。 その様子に嬉しさを感じるものの、恥ずかしさの方が勝ち彼女を宥める。 「せっかくだから少し食べてもいい?」 「あ、ナイフとフォーク持って来てないよ」 家に持って帰るのだと思っていたばかりに、今日は準備していなかった。 「大丈夫、食べれるよ」 幸せそうに微笑むトモミは、机に置いたケーキに直接かぶりついた。 純白のケーキに、歯型のかじられた跡が残る。 「うっまー!」 「ちょっとヤダ、クリームいっぱいついてるじゃん」 ティッシュを取り出すと、拭いて、と顔を突き出された。 「……トモミったら」 「ヘヘッ、めっちゃ嬉しい。ホントありがと」 ここまで喜んでもらえるとは思っていなかった。 せっかくだから写真を撮ろう、と、トモミは携帯を取り出してカメラの準備をする。 パシャパシャとシャッターを切る音が教室には似つかわしくて、照れ臭かった。
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