世界の何処かで、何かがハジケタ

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放課後、溝田君と歩きながら帰っていると、ポケットに入れていた携帯が震えるのが分かった。 メールなら無視しようとしたが、中々振動が収まらない。 不思議に思い画面を確認してみると、着信相手はトモミ。 ――電話って珍しいな。 「トモミから……ごめん、ちょっと電話出てもいい?」 「いいよいいよ」 溝田君は頭の後ろで鞄を抱え、頭をグルグル回している。 授業にお疲れのようだ。 「もしもし?」 『可純!?聞いてよ』 着信ボタンを押すなり、耳に怒声が飛び込んできた。 思わず携帯から距離を取ってしまう。 別れるまであんなにご機嫌だったのに、短時間の間に一体何が起きたのだろう。 「どうしたの」 『桜子ちゃんに嫌味言われた!』 「はぁ?」 『昼休み佑馬達と絡んでたじゃん。あれが気に食わなかったみたい』 「えーっ……ホントに?」 疑ったわけではないのに、聞き返すとトモミはブチギレてしまった。 『何よ、あたしの言うことが信じらんないっての!?』 「違う違う、さっきのは信じられないって意味じゃなくて……」 驚いた。 今までこんなことはなかった。 桜子ちゃんはいつもニコニコふわふわ。 守ってあげたくなるような、可愛らしい女の子。 何だかんだで寛大な心を持つトモミを、ここまでキレさせるとは相当な嫌味だったのだろうか。 想像出来ない。
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