七海の物語 ①

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『なー! 倉地が探してたよー!あんた、また何かやらかしたん?』 『あぁん? あたし、覚えねーけどなぁ……。っつか、倉地、うるさすぎ、まぢ、ウザいんですけど……。』 あたしは、本宮 七海。 流行りのブランド化した女子高生とは行ってくる程違う、かなりどSで口が悪く、冷めた感じの女子高生である。 おまけに、軽く引きこもりだ。 しかも……悩み多き三年生。 今、話しかけていたのが、生まれて半年からの付き合いでもある、幼馴染みで親友の、「うーたん」こと、林 涼花。 何故、涼花がうーたんかは……忘れた。 なんでだろう? あたしが付けたアダ名なんだが……。 まぁ、細かい事を気にするのは得意じゃないので、思い出したらお話ししましょう。 『なー、絶対なんかやったんだよ。あっ、男子のズボン下ろしで泣かせちゃったとか?盗撮で恐喝?ぎゃはははっ!! 白状しろよぉー!』 『何、妄想爆発させてんの?!うーたんじゃあるまいしぃ。ったく、あっ……倉地……。』 倉地、と言うのは、あたしらの担任教師だ。 こいつが、まぢウザい。 何やかんやと、関わり合いを持ちたがる。 うちの両親の親友だと言うから、尚更始末が悪い。 (あー……うっせえな……まぢ、シカトかぁ……ちきしょう、余計にイライラしてきたわ……。) 最近のあたしは、いつになく大人に苛ついていた。
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