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  「滝宮。」 頭の片隅で、 警鐘が鳴り響く。 ・・・駄目だ、 止められない。 「・・・滝宮、」 俺が急に手首を掴んだものだから タオルがパサリと落ちた。 反射的に引っ込めようとした腕の 肘の辺りも捉える。 そして俺は 吸い寄せられるように顔を近づけ、 その白い腕に唇を押し当てた。 「やっ、え、あ、」 この上なく滑らかな肌の感触を 唇で確かめる。 ああ。もう引き返せない。 逃げようとする腕を がっしりと捉えて 「っ、あ、・・・」 その白い肌に 赤い痕を残した。 「・・・。蒼汰に、殺されるかな。」 「ほ、しな、くん・・・」 滝宮は捕らわれていない左手を胸の前でぎゅっと握りしめ 狼狽えた顔を赤くして涙目になっている。 引き返せないなら 攻めるしかないか。 「・・・困った。」 滝宮を見上げたまま呟く。 「・・・お前が、欲しくなった。」
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