第3話

3/3

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 いつだって、そうだ。  本の正体さえわかれば彼はわたしの邪魔はしない。  無言でわたしの近くをうろちょろしてる。  もっとも、それだけでも気が散るけど。  ……でも、今日だけは違うみたいだ。 「先輩」 「空、超きれいだよ」  彼の指差す空は、真っ青で、その中に真っ白な大きな雲が浮かんでた。 「………そうだね」  (ほんと、きれい)    今日の彼は、わたしの、邪魔をしたいらしい。  ……ま、いいんだけど。  それが恋というやつで 「空の写真集、貸したげよっか」 「……ぜひ。」 2010.11.11
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加