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いつだって、そうだ。
本の正体さえわかれば彼はわたしの邪魔はしない。
無言でわたしの近くをうろちょろしてる。
もっとも、それだけでも気が散るけど。
……でも、今日だけは違うみたいだ。
「先輩」
「空、超きれいだよ」
彼の指差す空は、真っ青で、その中に真っ白な大きな雲が浮かんでた。
「………そうだね」
(ほんと、きれい)
今日の彼は、わたしの、邪魔をしたいらしい。
……ま、いいんだけど。
それが恋というやつで
「空の写真集、貸したげよっか」
「……ぜひ。」
2010.11.11
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