第6話

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 外を見れば雨だった。  ザアザアと音をたてていた。  ――まるで、今のわたしの心を表現しているかのように。  数時間前、まだ雨が小降りだった頃。  傘もささずにここまで来たからか、髪の毛も制服も、しっとりとまだ濡れていた。  (肌もベタベタして気持ち悪い) 「おかわりいかがですか?」  ウエイトレスの作ったような甲高い声と共に運ばれてきた温かい紅茶。  アールグレイの香りがわたしの涙腺を刺激する。  わたしってば、こんな日まで“これ”なんだ。  わたしはまた、ぼーっと外を見つめた。  約束の時間から、かれこれ3時間が過ぎようとしている。  なのに、あの人の姿は影も形も現れる気配はなかった。 「はぁ……」  もう帰ろうかな。  隣のイスに置いたカバンから折り畳み傘を引っ張り出して、またしまった。  (なんか、濡れて帰りたいかも)  サイフだけを取り出して席をたとうとした、 「ごめん……ハァ…ハァ…遅れ、た」  ちょうどその時だった。
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