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別に、特別親しい訳じゃないけれど。
わたしは彼のことが、好きだったりする。
「怜ちゃんさぁ、たまには声かければいいじゃん」
一番仲がいい友達の美佳がいとも簡単なことみたいに言う。
「それができれば苦労しないのー」
ほんと、わたしだって夏目くんと話したいにきまってるじゃない。
一度、体育祭のリレーで一緒のチームになって、声かけられたんだ。
でも彼が目の前に来た途端、カチンコチンに固まってしまった。
口を開けば噛みまくり。
きっとでき損ないのタレントさんの幽霊でも乗り移ってきたんだ、とかバカなことまで考えた。
結局、その時以来接点なんて何もなくて。
ぼーっとしているうちにもう2年が過ぎようとしていた。
受験を控えた今、告白なんてするわけにいかず、
ただ、毎日このお昼休みに中庭で、一瞬彼とすれ違うだけの日々を送っている。
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