2人が本棚に入れています
本棚に追加
……なんかイラってするんだよね、あーいうの。
わたしの彼氏・尚樹はモテるわけじゃない。
いつも周りにはたくさん人はいるけれど、(半分は女子だけど)尚樹は別にモテる訳じゃない。
平凡な顔立ちに、平均的な身長。平均以下の成績に、平均的な運動神経。
それが、“尚樹”、
なんだけど…………
「もー尚樹くんてばー」
「尚樹アホ丸出しだろ」
あははは、とみんなが声をあげて笑った。
彼の周りでは、笑い声が絶えない。
天性の才能だ、あれは。
普通に話しているだけなのに、周りを笑わせる、明るくする、楽しませる。
そんな人が、クラスの中心にいないわけがない。
「紗依、さーえ、」
「ほら、シワよってるよ」
葵が眉間を指でつついた。
葵は今年卒業した先輩と付き合っている。
だからなのか、どこかわたしよりも大人な感じがしたりするんだ。
わたしは彼から目をそらした。
いつからか、モヤモヤしたものが、わたしの中を支配していっている。
「はぁ……」
(もうわけわかんない)
最初のコメントを投稿しよう!