95人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
肩にかかるくらいに伸びた髪は、手入れがよくされている。
近づけば、整髪剤の甘い香りが鼻をくすぐる。
色白の細い首には、おねだりされたブランドのネックレス。
厚みのない肩を抱き寄せれば、彼女は口元を少しだけ緩ませた。
正午を少し過ぎた休日。
開け放った窓からは、車のエンジン音や鳥の囀りも聞こえる。
身を任せる体温の低い身体に指先を這わせれば、切ない息が漏れ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!