見つけた

12/14
前へ
/37ページ
次へ
「ふふっ……。夢海ってば可愛い」 「ほんとだね。照れて赤くなっちゃって…」 からかわれた夢海は首まで真っ赤になってい た。 「そういう訳だから。わりぃけど夢海は俺と帰る から」 俺は勝手にそう告げて。 「夢海、帰るか。お前の家どこ?この辺まだよく 知らねぇから案内して」 夢海に視線を戻して尋ねた。 「じゃあ私達は邪魔しちゃ悪いから先行くね」 「夢海、また明日ね。南城君もさよなら。真澄行 くよ」 2人はサッサと玄関を出て行ったけど、 「あっ…。じゃあ私も帰るから、バイバイ夢海」 慌てて2人を追いかけようとした真澄と呼ばれ る女は、数歩進んで突然振り返る。 「あのさ、夢海」 「どしたの?真澄」 「明日の朝ってどうすんの?」 夢海はキョトンと首を傾げて見つめて いたけ ど、俺はすぐにピンときた。 多分、本当ならそいつと一緒に登校するはず だったんだろう。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加