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最初はマジでムカついたけど、突然現れて4人 で帰るのを邪魔したのは俺だ。
もちろん明日からの登下校も譲れない。
「夢海は毎朝俺と登校する。一緒に行くつもりで いたなら悪いけど諦めて」
少し寂しげなそいつを見てたら、なんだか悪い なと思ってしまって、自然と口調も和らいだ。
「やっぱり…そっか。じゃあまた明日ね」
俺の言葉に納得したのか、肩を落として歩くそ いつは、外で待っていた2人と共に帰って行 く。
「…ごめんね」
隣りに立っていた夢海が小声で呟いた。
「俺、強引だったかな?友達と帰りたかった か?」
「いいの、帰ろ」
夢海はニコッと笑ってくれて。
「友達に夢海って呼ばれてるの聞いてたからさ、 下の名前は知ってっけど、苗字は?」
家まで送って来た俺は、帰り際そんな事を聞い てみた。
「相澤だよ!相澤夢海」
「そっか、相澤って言うんだ。改めて、これから 宜しくな夢海」
惜しむように背中を向けて、来た道を引き返す 。
家に着いて緊張が解けた途端に、今日1日の行 動を思い出して恥ずかしくなった。
今日夢海をみつけたら告るって決めてたけど、 自信があった訳じゃない。
かなりテンパってた気がするし、OK貰えた途 端に欲が出て、このまま一緒に帰りたいなんて 思ってしまって。
無理矢理、友達を追い払ったみたくなってし まったし、夢海は嫌になったんじゃないかっ て、今更ながら後悔する。
翌日早速、夢海に話して謝ると、
「全然、そんな事ないから大丈夫だよ」
夢海の笑顔を見て安心した俺は、後ろに 夢海を 乗せて自転車を走らせ、俺達が付き合っ ている 事を周りにアピールした。
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