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また、独りきりになるのか?
…それを容認しろってゆうのか?
…どっからやって来たか分からない゛勇者゛とやらに、神様に与えられた俺のたった一人を差し出せって言うのかよ?
…繋いでくれた手を急に離されたような気持ちで…
俺はギュッと自分の手に力を入れた。
「…は、ナニソレ。どうしても眠んないといけないワケ?…お前じゃないとダメなの?」
…だって、そんなのおかしいだろ。
おかしいよ。
涙が零れ落ちるのをとめたくて、歯を食いしばる。
…震える肩を止められなくて。
声が震えた。
「レンレン。…ごめんね?言ってなかったね?びっくりさせちゃった」
…そう言って、ムラキは俺を抱きしめた。
ムラキは、いつもそうやって俺を子供扱いする。
俺は、もう…。茂みの中で息をひそめてた8歳の子供じゃないのに。
「…でもこれは、約束で役割なんだよ。ごめんねー」
…そう言った、ムラキは眉をハノ字に下がっていた。
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