第1話

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まだ父親の身振りを見よう見まねで過ごしていた兄。 なんとか努力して父のように、それ以上になろうと努力を欠かさなかった兄。 それでも料理の腕は上がらなかった。 そこにおいては兄に勝る自信があり、毎度教えてもいた。 その時はまだ体も弱くはなかったのだ。 よく遊んだし、もちろん七夕の花火にも出向いた。 家族揃って仕事もして、遊び、笑いあった。 そんなもう訪れないであろう過去をなぜか今に限って思い出す。 思い出しても仕方のないものを。
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