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そんな懐かしいことを思い出すと
(あの詩は・・・・・・)
先ほどの詩を思い出す。
10月頃だったか、庭先に真弓と同じ名前の花が咲いていたのを兄と見つけた時だ。
「ヤマニシキギが咲いているね」
縁側で隣に座っている兄が腕組をして見ている。
「ヤマニシキギって」
「真弓と同じ名前の花だよ、なんでも朝鮮半島の異国でも咲いているそうだよ」
ふーんと思いながら話半分に来ていたが、1つ感動したものがあった。
「万葉集って知っているかい。その中に今の僕にピッタリな歌があるんだよ。お前の名前が入っていてね―」
「んー・・・」
あぁ、なんで気づかなかったのかな。
なんでもっと早く、あの日に気づけば。
手が届きそうだったのにな。今になってはどうにもならないことだ。
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