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シャナンは吐息と共に漏れ出る喘ぎ声を押し殺しながら、そんなことを心配していた。
「カナーン、だめ……もう」
「まだ何もしていないぞ」
カナーンは意地悪く口の端で笑い、ゆっくりと顔を乳房へ近づけ、舌先を伸ばした。
「ああっ」
全身に走る鋭い快感に、シャナンはのけぞった。
「そそる声で鳴く。これ以上私を挑発するな。夜が明けてしまう」
「意地悪……」
シャナンはかすれ声でそう言い返すのがやっとだった。
月明かりが差し込む薄暗がりの寮の廊下で、二つの黒い陰は重なり合い、人目をはばかることなく、飢えた獣のように愛し合ったのだった。
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