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――しんとした学園内を歩き回る黒い影。
外灯は、チカチカと瞬きを繰り返す。
紫色の夜の空。
こんな夜には何か悪いことが起きる…。
不気味なコウモリがばさばさと音をたて飛びだった。
「ひ~、さっむ~!なんだったって俺が見廻りに…」
鼻を擦り、秋特有の肌寒さを感じ、ポッケに手を突っ込み歩く一人の男子生徒。
その男子生徒は、不気味な噂がある学園内のある小道に通り掛かろうとしていた。
「うわぁ…、暗…。ここあれじゃねーか。夜な夜な呻き声が聞こえるっつー道…」
早く帰ろう、と意を決したが、そこを歩き去ろうとした時――
「……ぅぅ…~ボソボソ」
――聞いてしまったのだ。
男の
呻き声を
「ひっ…!!」
すっかり腰が抜け、へたりこんだ男子生徒はガタガタと身体を震えさせている。
持っていた懐中電灯を声がした方向へ。
「だっ、誰かいるのかっ」
――――ポン!!
「藁人形欲しいんだけど」
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