握りしめた手

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…くすぐったい…。 俺の胸にそっと這わす 河野の柔らかい唇が 深い眠りから呼び起してくれて。 「…竜生さん…好き…」 まだ俺が眠ってると 思っているのか 小さく呟いた河野の声に 思わずクスっと笑った。 ビクンと揺れた河野の体。 おずおずと見上げて来た瞳に 「おはよう」 そう声をかけると 「おっ…おっ… お…はよう…ございます?」 なんて疑問形で返って来るし。
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