新しい契約

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ぎゅっと抱きしめられた胸の中。 部長から聞こえて来る 命の鼓動が少し早い旋律で トクン…トクン…と 私の耳に優しく響く。 「何から話せばいいのか… 俺にも解らないくらい 話すべき事がありすぎて… だけどな… ただひとつ確かなのは… 俺は莉央が 一番大切だという事だ。 愛果の事は… 決して忘れた訳じゃない。 だけど…莉央が必要なんだ。 言ってる事は 矛盾してると解ってる。 それでも… こんな俺でも… 受け止めてくれるか…?」 耳に直接響くテノール。 だけど伝わって来るのは ありのままの大野竜生。
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