最高の誕生日

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ようやく支度が出来て あかりちゃんと駅前の ライブハウスへと向かう。 重たい扉を開くと同時に 正面のステージから 大音量の音楽が 耳に飛び込んで来て 思わずクラリと眩暈を感じる。 色とりどりのスポットライトが ミラーボールを照らして 散りばめられた光の玉が ホールで踊る人を映し出す。 「まだ啓太のバンドは 出番じゃないから 控室に行ってみる?」 大声で言ってるんだろうけど 大音量の音楽にかき消されて 遠くで喋ってるみたいに 聞こえるあかりちゃんの声に コクコクと頷いて。 人ごみの中、 まるで保護者みたいに 私の手を引いてくれる あかりちゃん。
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