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「っち・・・・だったらミンチの刑だ!!!」
感情に任せて行動するタイプのようであるこの蒼鬼は大ぶりな構えのままナイフを振り下ろす。三毛猫妖精はその見た目の如くすぐに素早く動いて紙一重で避けるが・・・・
ビリッ!!!!
「っ!?・・・しまったぁ!!!」
なんとナイフを避けた。それまではよかったがナイフが掠ったその先は首ん掛けてあった風呂敷でありそれが破れると其処から6個の宝石のように輝いていた紅、黄、青、黒、白、金の何かが零れ落ちた。
「ダメだぁッ!!!」
余程大切なものだったのだろうか。三毛猫妖精は猫ジャンプで飛び上がるとそれらを回収しようと両手を伸ばす。そしてなんとか両手で全部手に取った。
「よしっ!!」
ガッツポーズを極める猫妖精。だがその3秒後、重要な事に気がついた。
「あ・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・』
3秒ほどの沈黙で猫妖精は気がついた。自分の今の足元には地面はない。下は真っ青な空に真っ白な雲が広がっている。自分が何をやらかしたのか気がつくのに其処から更に2秒ほどかかったがそれもすぐにその思考も終わらせなければならなくなった。
「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
そう、この三毛猫妖精は鳥ではないため空を羽ばたくことなど出来るわけがないのだ。次の瞬間には重力に逆らう事が出来ないのならば必然の結果が待っていた。そうそれは「下へ落ちる」と言う事だ。
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