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「この時間帯だと登校途中だった?」
「はい、登校中にこのお店を見つけて気になって……」
「それでも学生が登校するには少し早いよね。何か行事でもあるの?」
外もにわかに活気づいてきたといっても、まだ七時前のはずだ。学生が登校するにはまだ時間がある。
まあ、早くに学校に登校する人間がいない訳ではないのだか。
「実は………今日街の外での魔物討伐演習があるんです」
魔物討伐演習……少し小耳に挟んだことがある。確か兵士養成学校が毎月行う行事で、教官監督下で最弱の魔物『ティム』を狩る行事だったはずだ。
「そっか、それなら急いだ方がいいんじゃないの?」
勿論、何百人もの生徒の戦闘を教官が見ていくから時間が掛かる。だから、こういう行事はいつもより集合時間が早いはずだ。
「一応余裕をもって家を出てきましたから大丈夫です」
「そう?ならゆっくり見ていってね」
そう言うとカウンターの裏の椅子に腰かける。
アリアちゃんは返事をすると、杖の置いてあるエリアに歩いていった。
アリアちゃんは魔法使いタイプか………。魔具は基本的に同時に使えないから魔法使いタイプは不便だよな。
魔具は基本的に同時に使えない。例えば剣の魔具なら、一方に身体能力を強化する能力、もう一方に炎を斬る能力があったとすると、その二本を同時に装備するとどちらの能力も発動しないのだ。これを『干渉』という。
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