45人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、この『装備』の定義が曖昧で片方の剣を納めていたら大丈夫だったりする。そこら辺は魔具の相性や性格が有るようだ。
「ねぇ、アリアちゃん。その腰に着けてるのって『モノ』シリーズの杖だよね」
アリアちゃんの腰のホルダーの三本の杖を指差して聞く。
魔具の命名権はその魔具を最初に手に入れた人にある。『モノ』シリーズは杖の魔具でも最もポピュラーな物で、火や水の玉を一直線に発射する魔具だ。
30センチ程の木でできた杖で、その根本に使える魔法の玉の色のマークが刻まれている。
『モノ』シリーズの干渉条件は二本以上手に持つこと。つまり、使う魔法を変えるときは一々腰のホルダーにしまう等しなければならないのだ。
「はい、火と水と土です。今日は風があればな~、と思って見てたんですけど……」
「あ~、ごめんね。風の『モノ』は今は置いてないんだ…。『ジ』シリーズでなら風入りが有るんだけど…」
『ジ』シリーズは『モノ』シリーズの上位互換で、一本で二種類の魔法の玉が使える物だ。杖を持ち変える必要がないから、本職の兵士の中にも愛用している人間は多い。
ただ、学生にも買えるかというと………
「ちょっと手が出せませんね………」
『モノ』シリーズは一本10000ソル程度なのに対し、『ジ』シリーズは一本50000ソル。学生にはかなり厳しいだろう。
最初のコメントを投稿しよう!