45人が本棚に入れています
本棚に追加
杖の根本のマークは赤、青、茶の三つと赤と茶が混ざろうとしているマークの合計四つ。
「合成される事は少ないからね。本当に運がいいよアリアちゃん」
そこでやっとアリアちゃんが意識を取り戻す。
「って、いやいや!私の杖はどこにいったんですか!?ちゃんと見てたはずなのに、マジックですか!?合成!?どういうことですか!?」
一気に言い切り、ゼーハーいってる。
「ちゃんと説明するから落ち着いて、どうどう」
興奮気味のアリアちゃんを宥める。
「…………ふぅ、まず私の杖はどこですか?」
「おっと危ない。忘れないうちに返しておくね」
そう言って四つのマークが刻まれた杖をアリアちゃんに渡す。
「って、これは私の杖じゃないですよね。『テトラ』シリーズですし、見たことないマークが有りますし」
「ところがどっこい、それは正真正銘アリアちゃんの杖だよ」
まだ分からないのか、アリアちゃんは首を傾げる。
「秘密はこの箱にあるんだ」
そう言って、宝石のちりばめられた箱を指差す。
「箱?」
「そう、何を隠そうこの箱は魔具なんだ」
「魔具?魔具ってあの魔具ですか?」
「そうその魔具」
魔具というのは魔武器だけではない、魔防具や魔道具も引っくるめて魔具というのだ。
この箱は魔道具の一つ。名前は『杖合成の箱』。命名は俺。ちなみに、朝飯の卵を産んだ鶏も魔具だったりする。
そしてこの魔具の能力はその名の通り、二本以上の杖を一本に合成すること。
その際、合成素材の杖の魔法を全て一本に引き継ぐことが出来る。世に出せば魔法使いが飛び付くような代物だ。
最初のコメントを投稿しよう!