開店

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杖の根本のマークは赤、青、茶の三つと赤と茶が混ざろうとしているマークの合計四つ。 「合成される事は少ないからね。本当に運がいいよアリアちゃん」 そこでやっとアリアちゃんが意識を取り戻す。 「って、いやいや!私の杖はどこにいったんですか!?ちゃんと見てたはずなのに、マジックですか!?合成!?どういうことですか!?」 一気に言い切り、ゼーハーいってる。 「ちゃんと説明するから落ち着いて、どうどう」 興奮気味のアリアちゃんを宥める。 「…………ふぅ、まず私の杖はどこですか?」 「おっと危ない。忘れないうちに返しておくね」 そう言って四つのマークが刻まれた杖をアリアちゃんに渡す。 「って、これは私の杖じゃないですよね。『テトラ』シリーズですし、見たことないマークが有りますし」 「ところがどっこい、それは正真正銘アリアちゃんの杖だよ」 まだ分からないのか、アリアちゃんは首を傾げる。 「秘密はこの箱にあるんだ」 そう言って、宝石のちりばめられた箱を指差す。 「箱?」 「そう、何を隠そうこの箱は魔具なんだ」 「魔具?魔具ってあの魔具ですか?」 「そうその魔具」 魔具というのは魔武器だけではない、魔防具や魔道具も引っくるめて魔具というのだ。 この箱は魔道具の一つ。名前は『杖合成の箱』。命名は俺。ちなみに、朝飯の卵を産んだ鶏も魔具だったりする。 そしてこの魔具の能力はその名の通り、二本以上の杖を一本に合成すること。 その際、合成素材の杖の魔法を全て一本に引き継ぐことが出来る。世に出せば魔法使いが飛び付くような代物だ。
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