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「それで私の杖を合成したんですか?」
「そういうこと。もしかして余計なお世話だった?」
「いえ……ありがたいんですが…びっくりし過ぎちゃって」
良かった。一回の説明で理解してもらえたようだ。
「でも、マークが増えてるのはどうしてです?『モノ』三本だから『トリ』になるんじゃないですか?」
「それなんだけどね、たま~~~~~~に魔法が混ざって新しい魔法が増えることがあるんだ」
確率としては百回に一回あるかないか。アリアちゃんは本当に運が良い。
「今回だと土と火が混ざったみたいだね。後で試してみると良いよ…………それとこの魔具の事は秘密にしてね」
「そ、それは勿論……バレたら大変ですよね………」
物分かりのいい子で良かった。
「で、でもいいんですか?こんな高価な物……」
『テトラ』の平均価格は50万ソル。しかし、レア魔法が付いたからその値段は100万ソルを越えるかもしれない。
「言ったでしょ、その杖はアリアちゃんの杖だって。それでも納得できないならお客様第一号への特別大サービスだと思ってね」
「あわわ、大変なものを貰っちゃいました………」
アリアちゃんは大事そうに胸の前で杖を握った。
「ぜったい、ぜったいに友達を連れてまた来ますから!」
あの後もアリアちゃんは商品を見て回ったが、持ち合わせが少ないらしく、値引きしてもらうのも悪いと言って学校に行くことになった。
「いってらっしゃーい!前を見ないと危ないよー!」
こうして初めての接客は終了した。
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